
兼任コーチとなったが、選手としてもチームの力になる
西武に移籍して4年目。左前腕の手術もあり、ここまではファームでの時間が多くなっているが、
内海哲也の野球へ取り組む謙虚さは新人さながらだ。早朝、誰よりも早く球場へ来てストレッチなど体を動かす準備を始める。先発すれば降板後も先に帰らず、ケアが終われば再びグラウンドに戻り、最後のミーティングまで参加する。
巨人時代に2年連続最多勝を獲得、今年でプロ19年目を迎える大投手のそれほどまでの真摯な姿勢を日々目の当たりにし、若手投手たちは次々と感化されている。
中でも、同じ2019年に入団した「同期」で、内海がポテンシャルの高さに惹かれた
渡邉勇太朗は1年目から直々に野球面から私生活、嫉妬も多く厳しいプロ野球界で生き抜く秘訣を伝授され、めきめきと頭角を現しつつある。「内海さんと出会えて人生が変わりました」と感謝してやまない。
今季、内海には投手に加え、“兼任コーチ”という役職もついた。その肩書により、より積極的に、より多くの選手に助言ができることは、自身にも、チームとっても大きなプラスだ。実際、昨年の秋季練習ではコーチとして若手を指導したことで「自分でも気付けたことがたくさんあった」と収穫を口にしている。
一方で、まずはイチ投手。昨季は2試合の登板で1勝に終わり、納得しているはずがない。「もっと一軍でチャンスをもらえるように」と闘志を燃やす。「球団の方々、ファンの方々に、『やっぱり内海がライオンズにいて良かった』と思ってもらえる存在でありたい」。戦力として、指導者として、人間として。あらゆる角度からチームに全力で貢献していく。
写真=BBM