日米通算22年目。百戦錬磨の中島宏之が、今季も勝負所でチームを救う。昨季限りで同学年の
亀井善行が現役を引退して外野守備兼走塁コーチとなり、今年40歳を迎えるチーム最年長になった。
「気持ちは若く。ただ野球に夢中になって練習しています。自分の結果を出すことはもちろん、若い選手と話をしながら、また競争しながらやっていきたい」
春季キャンプではスロー調整を任されていたが、若手に負けじとバットを振り込む姿が目立った。チームは若返りの方針を打ち出し、例年以上に若い選手があふれていた。中島は「ロッカーにおると、(年齢が)19、20、21歳みたいなのが周りにいっぱいおる。隣が秋広(優人)。中山君(礼都、ともに19歳)も通路挟んですぐ横におるし……。歳が近いやつ、おれへんな~って」と、味のある関西弁で笑ったが、心も体もまだまだ若い。
昨季は開幕直後に新型コロナウイルスに感染して離脱していた時期もあったが、81試合に出場して41試合ではスタメンに名を連ねた。打率.271、6本塁打、26打点をマークし、何より得点圏打率は.385と勝負強さが光っていた。
今季はチームに加入して4年目。残り101本としている通算2000安打も視野に入る。「一軍の試合に出たいと毎日思って、球場に行きます。でも、出る、出ないは決められないから、いつでもいいようにと思って準備していきます」。頼もしいベテランはハングリーさを忘れず、静かに闘志を燃やしている。
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