
内野のどこでも守れる万能選手の三木
ファンにおなじみの光景だ。
レアードが本塁打を打って、ベースを一周してベンチに戻る。魚を釣って、さばいて、スシを握るパフォーマンスを行う。その隣で、そのスシを受け取り、パクリと口にほおばるのが、
三木亮だ。
「やる選手がいないのでって感じですね。でも、それで、ちょっとでも貢献できるのであれば、率先して、もっともっと貢献してきたいと思う」
ベンチのムードづくりがうまいチームが強いのは、どんな時代も変わらない。レアードの相棒として、今季9年目の30歳が、チームに欠かせない盛り上げ役を買って出る。
もちろん、ムードメーカーだけではない。内野ならば、一塁、二塁、三塁、遊撃とどこでも守れる万能プレーヤーだ。しかも、高いレベルでさまざまな役割をこなせるのだから、ベンチには欠かせない。
昨季はシーズン終盤まで
オリックスと優勝争いを繰り広げた。三木にとっても「ずっといい緊張感で戦う雰囲気を経験できて、この先の財産になった」と振り返る。
今季も守備固めを中心に、途中出場多くなるだろう。なかなかスポットが当たらないポジションだが、経験豊富なだけに、難しい役割にも強いこだわりと責任を持つ。
「後から試合に出ると、エラーすると強く光が当たりやすい。でも、ミスできないというのは、スタメンで出ても一緒。ミスできないというのは毎年のこと」
こんな選手がベンチにいるから、このチームには若手が躍動できる土壌があるのだ。
写真=高塩隆