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1年間ローテーションを守り、集中力を持続して昨季以上の成績を残したい
今季、三十路を迎える。プロ入り7年目を迎えた
加藤貴之は、昨年末の契約更改後に「今年と一緒で、1年間ローテーションを守って。あとはチームの優勝に向かって頼られる選手になりたい」と意気込んだ。もちろんマウンドと同じように、ひょうひょうとしたリズムの話し口で。いい意味で自分のペースを崩さない、ぶれない強さは年々増している。
昨季は初めて規定投球回に到達した。
栗山英樹前監督時代は立ち上がりの良さを生かして、先発で打順一回りがメドのショートスターターも経験。先発、中継ぎと器用に役割をこなせるユーティリティーさも相まって、なかなか届かなかった規定投球回だが、2021年シーズンは壁を打ち破った。ただ、チーム自体が不振で勝ち星は6勝止まりだった。
6月3日で30歳となる22年シーズンは、初の2ケタ勝利が期待される。現役時代は左腕エースとして鳴らした
武田勝投手コーチは「集中力をいかに続けられるか。そこを目指さないと長いイニング、もしくは2ケタ勝利できない」と、本人にも常々言っているという。集中力が切れるとテンポの良い投球は途端に単調となる。そこだけ気を付ければ、昨季以上の成績を残せるはずだ。
加藤も自覚十分で、しっかり集中力を保って開幕までの調整を進めている。3月9日の
ロッテ戦(鎌ケ谷)では「もう公式戦だと思って、変わらずしっかりと全力で投げました」と、5回1失点にまとめた。「開幕ローテーションは入りたい」と控えめに話すが、今季は左腕エースへの階段を上がる1年にしたい。
写真=BBM