2013年ドラフト1位入団の菅野智之はプロ10年目を迎えた。3月11日の
オリックスとのオープン戦(京セラドーム)では4回6失点、18日の
ロッテとのオープン戦(東京ドーム)では5回4失点。開幕戦を前に不安を残したが、百戦錬磨のエースには何も心配はいらなかった。25日、
中日戦(東京ドーム)。3回に3連打で1失点、4回に
ビシエドにソロを被弾したが大崩れしない。6回2失点にまとめ、
別所毅彦、
斎藤雅樹の4勝を抜いて球団新の開幕戦5勝目をマークした。
1年目から13勝を挙げるなど9年間で通算107勝56敗、防御率2.39。沢村賞2度、最優秀防御率4度など多くのタイトルを獲得した。数字を並べるだけでもすでに球史に残るエースは昨季、「苦しい1年だった」と振り返るように、シーズン前半で4度、故障などで離脱し、自己最少の6勝(7敗)、防御率は3.19に終わるなど試練を味わった。
リベンジを誓う今季を前に、1月には自主トレ同行を志願してきた同じ10年目の
阪神・
藤浪晋太郎と沖縄でタッグを組んだ。「彼が僕に頭を下げてくれたということに意味がある」とライバルの思いに応えるべく、投球フォームや心構えの助言を惜しまず、自身も負けじと猛練習で追い込んだ。藤浪も開幕投手を務め、ともに節目のシーズンで巻き返しを誓っている。
3月1日に5年連続で球団歴代単独最多となる8度目の開幕投手に指名された。これはリニューアルされた東京ドームのお披露目を兼ねて、球団公式SNSで生配信されたイベント中に
原辰徳監督から発表され、エースは「本当に光栄。身が引き締まる思い。死に物狂いで投げていきたい」と決意を示していた。
球団史、球場史に残るメモリアルゲーム。「8回の中で一番緊張して、どういうふうにマウンドに上がったかあんまり覚えてないんですけど、勝てて良かったです」。背番号18の復活劇が幕を開ける。
写真=BBM