
開幕から先発ローテーションとして期待された今井だったが……
3月25日の開幕戦1週間前、先発ローテーションの見通しは非常に明るかった。
高橋光成、
今井達也、
松本航の3本柱を筆頭に、急成長株の
渡邉勇太朗、
與座海人、さらに即戦力候補だったドラフト1位・
隅田知一郎、2位・
佐藤隼輔がそろってキャンプ、オープン戦と能力の高さを発揮。そこに来日が遅れたとは言え、
ディートリック・エンス、
バーチ・スミスの両外国人が加わるという、近年稀に見る人材の豊富さだった。
暗雲が立ち込めたのは3月20日。突如今井が内転筋の張りを訴え戦線から離脱したのだ。それでも、「今年は、代わって入れられる選手がいるという意味では全然違う。今井にはシーズン最後まで走ってもらわなきゃいけない」と、
辻発彦監督は動じず、万全の状態に戻るまでじっくり待つ考えを口にしていた。
ところが、現実は思いどおりにいかない。與座、渡邉が制球力を欠き二軍で再調整。佐藤もデビュー戦こそ白星を挙げたが、2、3試合目は苦戦し失点を重ねた。さらにチームも7連敗を喫するなど、歯車が噛み合わない状況が続いてしまったのだ。
そんな中で光明となりそうだったのが今井の回復だった。4月8日には二軍戦で実戦復帰し、2回無安打無失点と上々の投球を披露。次の登板で投球数をクリアし、その次はいよいよ一軍マウンドかという青写真も見えていた。だが……。19日の二軍戦で5回途中に適時打を浴びて本塁のカバーに入った際に足を負傷。そのまま足を引きずり降板となった。球団からの発表はないが、復帰の白紙は不可避だろう。期待が大きいだけに、何とも痛恨の再アクシデントとなってしまった。
写真=BBM