チームの顔が帰ってきた。
T-岡田が5月29日に今季初めて出場選手登録。3月のオープン戦で右ふくらはぎを負傷し、出遅れていた背番号55が、本拠地の京セラドームで笑顔を見せた。
「これだけ長い間、ケガで出られないことがなかったので不安はあった。気持ちが落ちるときもあった。早く野球がしたいという気持ちを常に持って、前向きに頑張ってきた」
34歳になったベテランが、うれしげな表情で、ふとドームの天井を見上げた。一軍登録即、六番・一塁でスタメン出場。3回の無死満塁で右犠飛を放つと、5回には右翼線に適時打二塁打。さらに7回には右中間最深部に1号ソロも放り込み、2安打3打点の大活躍で、復帰してすぐに勝利に貢献した。
昨季は中心選手として、1996年以来25年ぶりのリーグVに導いた。プロ入り後自身初の胴上げを体感し、今季は「連覇&日本一」を目標に鍛錬を積んできた。ただ、強い責任感からか、気持ちが空回りした。
3月18日の
阪神とのオープン戦(京セラドーム)で右ふくらはぎを負傷。筋損傷と診断された。キャンプ中にも同じ個所を痛めていた。リハビリ後の実戦復帰では、ウエスタン・リーグでは25打数2安打と感覚を取り戻せていなかったが、昨季17本塁打の頼もしいベテランが2カ月遅れで戦線に加わった。
中嶋聡監督は「打点を挙げてくれるのは本当大きい。いなかったメンバーが帰ってきて、結果を出してくれたら勇気がわきます」と大喜び。シーズン序盤に貧打に苦しんだオリックスが“浪速の轟砲”の復帰で、6月17日のリーグ戦再開から逆襲を期す。
写真=BBM