
再び一軍へ、二軍からリスタートを切った末包
開幕戦でインパクト抜群のデビューを果たしたルーキーが5月23日、出場選手登録を抹消された。
末包昇大にとって、自身初の二軍落ちとなった。
いわゆるプロの壁にぶつかった。「登板する投手すべてが社会人ではエース級」と表現するように、対戦するそれぞれが剛腕を誇る。一軍では本格派と言われる速球への対応に苦しんだ。変化球の見極めはキャンプ時からの課題だった。オープン戦後半からその課題も克服しつつあったが、対戦カードを重ね、研究を積まれた。外角の変化球をやや苦手とし、打率.304ながら二軍落ち。5月に入ってからは先発出場が3試合にとどまり、出番が減っていた。
一方で、球団では16年ぶりとなる新人開幕スタメンを勝ち取ったポテンシャルに偽りもない。二軍では31日まで6試合に出場。24打席で12三振と数字だけ見ると三振数が目立っているが、スイングしている姿勢の裏返しとも見える。事実12三振のうち空振り三振が11個と積極性は失っていない。
シーズン開幕戦、3月25日の
DeNA戦(横浜)では決勝点となる先制適時打を含む3安打。開幕新人猛打賞は、1958年の
古葉毅、
森永勝治以来となる球団64年ぶり3人目の快挙だった。4月2日の
中日戦(バンテリン)では左中間最深部にプロ1号を放つなど長打力も魅力の1つだ。
ポスト
鈴木誠也の1人として厚い期待を寄せられている背番号52。プロ初の二軍生活から得るものもあるに違いない。経験を積み、再びその打棒が一軍に必要とされるまで、牙を研ぐ。
写真=榎本郁也