
今季途中、リリーフから先発に転向した赤上
今年の早い段階から支配下昇格が有力視されていたのが育成2年目の
赤上優人である。
最大の武器である150キロ台の直球を生かし、リリーバーとして育てるべく、昨年から1イニング限定の起用が続いていた。しかし、一軍の中継ぎ陣が12球団トップの防御率を残すほどの安定感を見せている事情もあるだろう。可能性を広げるべく方針を転換。回またぎなど段階を経て、今年5月26日に初めて二軍で先発マウンドに上がった。
清川栄治ファーム投手総合コーチは「短いイニングであれば結果オーライで終わっているところでも、長いイニングになれば、失投がきっちりと失点にはね返ってきます。精神力とコントロールを磨かなければいけないというところで、良い経験ができていると思います」と成長を口にする。6月16日のイースタン・
ロッテ戦(ロッテ浦和)では自身最長の6回、初の100球を経験。3失点は喫したが
岡大海、
安田尚憲ら一軍選手が出場した中での結果に「合格でしょう」と同コーチは及第点とした。さらに23日の同・
巨人戦(ジャイアンツ)では5回6安打を浴びながら無失点。四死球ゼロと余計なランナーを出さなかった。
春季キャンプ途中からA班に合流し、オープン戦で3試合登板、無失点と結果は残している。あとは二軍でインパクトのある投球内容で成長を猛アピールできるか。先発に転向してからはカーブやスライダーも多投するようになった。「もともと直球に力があるので、変化球のコントロールやコースの出し入れができるようになることが最終的なポイントになる」と清川コーチ。投げっぷりと三振を奪える豪快な投球が魅力の23歳右腕の一日も早い支配下昇格、そして一軍舞台での躍動が楽しみだ。
写真=BBM