
自らの武器で勝負する
チームで最も個性的なフォームの投手と言ってもいいかもしれない。
松井友飛だ。2022年ドラフト5位で入団した右腕は左足を上げる際、円を描くように後方へ大きく揺らす「振り子投法」が持ち味だ。
石川県出身。石川・穴水高では、公式戦で1勝も挙げられなかった。だが金沢学院大では1年時から活躍。190センチの長身右腕は「振り子投法」を武器に最速154キロを計測するまでに成長した。キャンプは一軍スタート。プロでの実戦デビューとなった2月13日
日本ハムとの練習試合(金武)では5回に登板。最速152キロの直球でグイグイ押して、1イニングをピシャリと抑えた。
オープン戦では中継ぎとして3試合に登板し計3回を投げ2安打無失点。開幕一軍は果たせなかったが、二軍で先発に転向し、6月15日の時点で6試合に登板し3勝1敗、防御率1.17。30回2/3を投げ、26三振を奪っている。11四球を与えるなど制球には課題を残すが、角度をつけた直球はプロでも通用している。先発に転向させたのも首脳陣の期待の表れだろう。
石井一久GM兼任監督は「今年もそうですけど、来年以降も先発の中に入ってきてほしいという願望はある。そこまで見据えて、見てみたい」と期待を寄せる。指揮官は当面、先発枠を5人で回す意向を示しているが、早ければ球宴前に一軍デビューを果たしても不思議はない。
期待の本格派は「気持ちを全面に出していきたい」と意気込む。「友飛」という名前のとおり、プロでも大きく羽ばたく。
写真=BBM