
今季は一軍でリリーフとして奮闘している本田
8回
平良海馬、9回
増田達至と防御率0点台コンビがそろう鉄壁のライオンズの勝利の方程式。その必勝パターンに持ち込む他のリリーフ陣の顔ぶれも、今季は選択肢が実に多彩であり、すべてが磐石と言っても過言ではない。中でもひときわ輝きを放っているのが
本田圭佑である。
昨季までは、いや、もっと言えば今季も一軍に上がってくるまでは先発要員の一人として数えられていた。だが、新型コロナ感染の事情で4月26日に中継ぎとして一軍登録されると、完全にリリーバーに専念。自身の中でも驚きの配置転換だったというが、それでも「1イニングずつしっかりと抑える」との意識は変えず、特に気負うことなく思い切り腕を振ることで想像以上の好結果が生まれた。
自身今季初登板から12試合無失点が続くなど7月5日現在、21試合に登板し、失点はわずか5点。防御率1.80と安定した投球が続いている。また、技術的にも、今季は昨季までほとんど使ってこなかったフォークを新球種に加え、縦の変化で投球の幅を広げた。同時に直球の質に磨きがかかり、6月19日の
オリックス戦(ベルーナ)では150キロを記録。自身最速を更新している。
この著しい充実ぶりに、首脳陣からの信頼も上昇の一途をたどっている。同点や僅差など「テンポよく0点で抑えて、攻撃に勢いをつけたい」という要所での起用が非常に多い。まさに、勝利を手繰り寄せるための切り札だ。入団時から、決してブレず、あきらめず、たゆまず、おごらずの姿勢を貫く7年目右腕。これからも、己と向き合い、一歩一歩、着実なる前進を続けていく。
写真=BBM