
2ケタ勝利も射程圏内に入る森下
夏場に入っても自己最速154キロを数多く投じている。7月23日の
ヤクルト戦(神宮)。初回に打者一巡の猛攻で6点の大量援護を受けると、
森下暢仁は今季18試合目の先発マウンドへ上がった。ナイトゲームとはいえ、まだまだ昼間の暑さが残る神宮のマウンド。スタミナには定評がある右腕だが、常々「暑いのは苦手」と語っており、2つのギアで出力を調整していた。序盤はローギアでヤクルト打線を封じる。ピンチになるとギアを上げた。5回だった。連打で失点すると出力アップ。二死三塁で代打・
塩見泰隆を迎えると、今季最速に並ぶ154キロを4球投じ、右飛に打ち取った。
結果として6回3失点で勝利投手。「いつも野手に勝たせてもらっている。ここ最近ずっと点を取ってもらっている」と、3回までに2ケタ得点で投げやすさをつくってくれた野手に感謝を述べた。前半戦で早くも2021年に並ぶ8勝目を手に。チームでも
床田寛樹に並ぶトップの勝利数だが、「後半が本当に大事だと思うので、しっかり準備してやりたい」と、慢心は一切なかった。前半戦は4連勝フィニッシュ。1年目に記録した自己最多の10勝も射程圏ゆえに、後半戦が大切になってくる。
今季150キロ以上を計測した回数は、助っ人外国人の
アンダーソンを上回り、チーム最多を誇る。150キロ超の直球と110キロ台のカーブ。緩急を巧みに混ぜ合わせるスタイルは、いまや右腕の代名詞だろう。打者としても好成績を残している森下の快投が、後半戦のチーム反攻に欠かせない。
写真=BBM