
8月3日の広島戦でサヨナラ打を放った宮崎
年齢を重ねても、巧みなバットコントロールはいまだ健在だ。
宮崎敏郎は33歳となった今季も安打を量産して高打率をキープしている。2017年の首位打者は、今季も安定した働きで熾烈なタイトル争いに加わっている。
昨年取得した国内FA権を行使せず、6年の大型契約でチームに残留。「生涯横浜」を決意した。入団から一度も果たせていないリーグ優勝、日本一とともに掲げたのは「もう一度、首位打者を獲りたい」との目標だ。過去4度の打率3割をマークしたバットマンは再びトップを目指して10年目のシーズンに臨んだ。
開幕からクリーンアップに座り続け、好不調の波の小さい打撃でチームを支える。4月に左脚を痛めて、ひと月近い離脱もありながら、復帰後も広角に打ち分け、変わらぬ打棒を発揮。
三浦大輔監督も「宮崎がいてくれるからこそ、打線としてつながる」と、その存在に全幅の信頼を置く。
前半戦は.318の高打率を残したが、決して満足はしていない。打点が24にとどまり「そこを求められている。個人としてもっともっとできることはあった」と勝負どころでの一打を追い求めた。そして後半戦開始から間もない8月3日の広島戦(横浜)。延長11回一死満塁からサヨナラ打を放ち、さっそく結果で示してみせた。
酷暑の中での戦いも「暑さはあまり嫌いなほうではない」と頼もしい。3年ぶりのAクラス入りへ向けた勝負の終盤戦に突入していく。この男の力は欠かせない。
写真=BBM