二軍では4本塁打を放っている豊田。さらに打ち続けて終盤戦で一軍行きへのチャンスをつかみたい
虎視眈々とレギュラー獲りを狙うのはドラフト6位ルーキーの
豊田寛だ。期待の新人外野手が今季初めて一軍の舞台に登場したのは開幕直後だった。
マルテに代わってファームから昇格した4月3日の
巨人戦(東京ドーム)では、5回に代打で出場し、同じ新人・
赤星優志のフォークに空振り三振を喫した。
この一戦は赤星がプロ初勝利を挙げた試合でもあった。「自分の持ち味は積極的にいくこと」と語っていた豊田だが、その後も結果にはつながらなかった。
初スタメンは4月12日の
中日戦(バンテリン)で、球界を代表する
大野雄大の前にノーヒット。プロの洗礼を浴びた形に終わっていた。
東海大相模高の3年夏は四番として全国優勝を遂げて、国際武道大に入学。社会人の日立製作所を経て
阪神入りした。入団時から「1年目から活躍します」と意気込んだが春先でつまずいた形になった。
故障した時期もあったが、ウエスタン戦では力を発揮し始めた。8月6日対
ソフトバンク戦(鳴尾浜)では左越え4号2ランを放つなど非凡さを垣間見せる。
豊田も「走攻守三拍子そろった選手になりたい」と将来像を描いている。「そのために思い切ってスイングしたい」と経験を積んでいる。
近本光司、
佐藤輝明、
島田海吏ら精鋭がそろう外野のレギュラー争いの激戦区。逆方向に長打が打てる触れ込みでプロの世界に足を踏み入れた男はライバルに果敢に挑戦する。