
先発起用に応えて結果を残す板東
屈辱を、しっかりと次の登板での結果で晴らした。9月3日の
西武戦(PayPayドーム)。プロ4度目の先発となった
板東湧梧が、自己最長の7回を投げ4安打2失点で今季2勝目を挙げた。前回登板だった8月25日の
楽天戦(楽天生命パーク)では、試合開始早々に味方打線から4点の強力援護を受けながら、直後の1回裏にまさかの大乱調で一挙7失点。チームの連勝を「5」で止めてしまい、自らも今季初黒星を喫した。先発としての大きなチャンスをつかみつつあるシーズンだけに、この悔しさをムダにしなかった。
今季初先発となった8月19日の
日本ハム戦(PayPayドーム)では、6回途中無失点の好投でプロ4年目にして先発では初めての白星をつかんだ。初回に7失点した同25日の楽天戦は、状態の良さを買われて中5日で迎えたマウンドだった。味方打線の初回の4得点は今季最多タイ(当時)。「(大量リードの)展開を意識し過ぎてこうしなくちゃいけないと、自分で苦しくなっていった部分があった」。屈辱の一挙7失点を真正面から受け止め、そう反省した。その上で「自分の投球をすれば結果はついてくる」と、9月3日の西武戦は心に誓い上がったリベンジのマウンドだった。
初回二死からは、2020年に2打席連続で本塁打を食らった
森友哉にカーブを左中間テラス席へ運ばれる。続く打席は
山川穂高だったが、心の乱れはなかった。「(相手を見て)変えるのではなく、目の前の打者というイメージで立ち向かった」。屈辱を味わい精神的にも強くなった右腕が挙げた、価値ある2勝目だった。
写真=湯浅芳昭