
今季はリリーフで44試合に登板した松本
シーズン中に
藤本博史監督から「投のジョーカー」に指名された
松本裕樹が、終盤戦のブルペンを支えた。8年目の今季は自己最多の44試合に登板。5勝、15ホールドはキャリアハイの数字だ。シーズン序盤はビハインド展開での登板やロングリリーフなどの役目が多かったが、8月以降は“7回の男”として勝ちパターンの一角に定着。「勝っている場面や競っている試合の中でいい緊張感を持ってやらせてもらっている」とやり甲斐を口にする。
今季は想定外のスタートだった。春先から実戦で結果を残し、目標だった開幕先発ローテーション入りを内定させた。だが、3月下旬に腰のはり治療を受けた際に折れたはりの一部が体内に残り、患部を切開して取り除く手術を受けた。その結果、開幕一軍入りさえ叶わなかった。
「本当に悔しかった」
それでもくじけずにリハビリを重ね、4月中旬に一軍へ復帰。その後は大きな離脱もなく登板を重ねると、9月は両リーグ最多の15試合に登板して13イニングで20奪三振。リーグトップの8ホールドを挙げ、防御率2.08と安定した投球を披露した。
リリーフで一定の地位を築いたとはいえ、今年初めには「中継ぎに転向したつもりはない」と口にするなど、先発への思いは変わらない。
「中継ぎをやったからこそ気づけたこともある。ケガから始まった1年だったけど、マイナスのことばっかりじゃなかったなと思っている」
今シーズン得たものを自らの引き出しとし、来季は再び先発ローテを目指すつもりだ。
写真=BBM