
9月11日の日本ハム戦で10勝目をマークした與座
最終盤に7連敗を喫して脱落したが、7月29日から8月23日まで首位に立ち、その後も優勝争いを繰り広げた
西武。その善戦を支えた立役者の一人が
與座海人だった。2018年に入団し、登板がないまま1年目の10月にトミー・ジョン手術を受けた。昨季までの4シーズンの通算成績は23試合登板、先発13試合、3勝5敗1ホールド、防御率4.11だった。5年目の今季も、2年ぶりに開幕先発ローテーション入りは果たしたが、1試合でファーム落ち。約1カ月後に再昇格を果たすが、そのときはリリーバーでの起用が見込まれていた。
だが、思わぬチャンスが巡ってきた。4月28日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)で先発の
バーチ・スミスがアクシデントのため2回一死満塁で降板。それを引き継いだのが與座だった。このピンチを無失点で乗り切り、5回まで3回2/3を1失点と好投すると、今季初勝利を手に入れた。そして、その後は先発に戻り、球界でも希少なアンダースローから投げ込む浮き上がるような軌道の高めの真っすぐを武器に、巧みに高低左右を使う投球で勝ち星を重ね、シーズン最後まで先発ローテを守り抜いた。
7月30日のソフトバンク戦(PayPayドーム)ではプロ初完投、初完封勝利を記録。投手としての一つの大きな目標、10勝を挙げ、自身の想像を超える充実のシーズンとなった。自信がついたことで、マウンド度胸、捕手との積極的対話など、すべての要素で一回りも二回りもレベルアップしたことは一目瞭然だ。
「2ケタ勝利投手」の看板を背負って挑む来季、主力としてのさらなる成長を期待したい。
写真=BBM