
今季は先発ローテーションを守り、自己最多の12勝を挙げた高橋
2年連続開幕投手を務め、周囲から「チームで一番の投手」と期待を背負った
高橋光成が、見事に応えた。開幕から3試合白星がなく、4試合目で今季初勝利を挙げると4連勝を記録。その後、再び4連敗を喫するなど前半戦はゲームをつくりながらも結果の波が激しかった。
だが、一喜一憂することなく、常に「自分の投球ができるように調整するだけ」と、いっさいブレることがなかった。迷いなく自分の積み上げてきているものだけを信じ、貫き通したことで、安定感も兼ね備わっていった。特に夏場以降、チームが首位争いでしのぎを削る中、8月16日の
ソフトバンク戦(ベルーナ)から自身最終登板の9月27日の同カードまでの7試合で6勝を挙げた姿は、風格さえ感じさせた。
当時の
辻発彦監督も「本当にエースっぽくなってきたね」と、目を細めてたたえていた。最終的に記録した12勝は堂々のチームトップ、リーグでも2位の数字であり、自身にとってもキャリア最多の勝利数となった。
また、勝ち星だけではない。高橋本人が最も意識する数字「投球回」も、チームで唯一の規定投球回数に到達しており、イニング数175回2/3はリーグ2位。さらに、クオリティースタート(先発で6イニング以上を自責点3点以内)率80.8パーセントも同3位と、チームにとどまらずリーグの中でもシーズン通して屈指の投球内容を誇っていた。
実績から見ても、
松井稼頭央新監督が最も信頼を置く投手と見て間違いないだろう。来季、未踏の15勝を達成し、誰もが認める真の“エース”の称号を手に入れたい。
写真=BBM