
来季は好不調の波を少なくすることを誓う
強い決意で突き進んできた。
「ケガをしないフォームで0勝で終わるか、ケガをしやすいフォームで勝つか。僕はリスクを選ぶ」
退路を断つように、
上茶谷大河が言ったのは昨年11月のこと。自己最少の1勝に終わり「本当にふがいないシーズンだった」と現実を受け止めた。肩やヒジへの負担を覚悟した上で、東洋大時代のフォームへ回帰。今季3勝にとどまったものの「僕にはこのフォームが合っている。今年1年で迷いが消えた」と収穫を持ち帰った。
2月のキャンプでは新球としてシュートを練習。フォーム変更によって、直球の威力も増した。開幕先発ローテーションからは外れたものの、4月1日の
ヤクルト戦(神宮)で初先発初勝利。同16日も本拠地・横浜スタジアムでヤクルト相手に完封勝利を成し遂げた。わずか91球の「マダックス」に加え、無四球も初めて。
三浦大輔監督が求める、ストライクゾーンで勝負する投球を実行した。
その後は停滞し、5月28日の
西武戦(ベルーナ)で自身5連敗。プロ入りワーストの10失点と大炎上した。シーズン4度の登録抹消。被打率も右打者の.215に対し、左打者は.306と明らかなウィークポイントもあった。
好不調の波を少なくすることを心掛け、秋季トレーニングでは1日おきに100球の投球練習。「1年間投げるために」と力を込めた。先発右腕では
大貫晋一の11勝が最多。6勝の
フェルナンド・ロメロは今季限りで退団した。ルーキーだった2019年の7勝をピークに、ここ3年で計6勝。闘志を秘め、名誉挽回のチャンスを待つ。
写真=BBM