
指揮官に専念して勝利へ導く
集大成を見せる時が来た。
楽天の
石井一久監督は、2023年で監督としては3年契約の最終年を迎える。22年シーズンまではGMを兼任しながらだったが、23年シーズンは監督業に専任。想像以上の激務から解放されて監督に専念できるとあって、これまで以上に期待は高まる。
本人は球団を通じ「今までも一つでも多く積み重ねること、チームが勝つことを考えてきましたが、アプローチを変え、来シーズンに臨むことを決めました。引き続き、東北に歓喜をお届けしたいという夢を実現するために、全身全霊を注いで参ります」などとコメント。全身全霊という言葉を使って強い覚悟を示した。
22年は一時18もの貯金をつくりながら夏場に急失速。借金2で4位に終わった。打線が貧打にあえいだ試合もあれば、投手陣が粘れない試合もあった。「先発投手陣の整備が6月以降は難しかった」と指揮官。開幕先発ローテの中で貯金をつくれたのは
則本昂大だけと、先発を含めた投手陣の不振も響いた。
反省を生かし、ドラフトでは1位の立大・荘司を含めて5人の投手を指名。新外国人にはメジャー通算58試合で6勝9敗1セーブの左腕、
マニー・バニュエロスを獲得。巻き返しに向けて、補強には万全を期した。
目指すのは来季の結果だけではない。常勝軍団の構築だ。18年秋にGMに就任したときから、口癖のように「毎年優勝争いをできるようなチームをつくっていきたい」と語ってきた。その気持ちにウソはないはず。監督専念の23年こそ、未来への希望を持てるような戦いを見せる。
写真=BBM