
22年目の今季も第一線で活躍することを誓う栗山
昨季は新型コロナ陽性判定の影響もあり、89試合と2006年以来16年ぶりに出場試合数が100試合を下回った。
栗山巧本人も「山あり谷ありな感じで過ごしたシーズンでした」と淡々と振り返る。ただ、その後「でも、それはそれで、面白いもんやなあと思いながらやってきた」と続くのが、なんともこの男らしい。苦境すらも「面白い」と受け止め、それを乗り越えることで「また野球がうまくなれる」と成長の糧にする。それが栗山という人間なのだ。
実際、開幕直後から不振に陥り、3・4月の月間打率は.146にとどまった。それでも決して逃げることなく自らと向き合い、5月に打率.324、6月は.353と見事に壁を乗り越え、結果を出す。その後も、状態の良し悪しはある中でも最終的には打率.264ときっちり帳尻を合わせられる技術こそ、21年間もの長い間第一線で活躍し続けられる所以だろう。
そんなプロ意識の塊であり、野球への真摯な姿勢を示し続けてくれている栗山に、
松井稼頭央新監督も全幅の信頼と期待を口にする。「栗山の準備の仕方や試合での取り組みを見て、若い選手は『栗山さんがあれだけやっているのだから自分はもっとやらなきゃいけない』と思ってほしい。栗山にも、若手に『こいつら出てきたのか。まだ負けへんぞ』とお互いに相乗効果があればいいなと思います」
今年で22年目のシーズンを迎えるが、「しっかりコンディションを整えて、ベストなパフォーマンスを出すことだけを目標に頑張っていきたい」。最高の仲間、ドラフト同期で同学年の
中村剛也と2人、まだまだ向上心が尽きることはない。
写真=BBM