
今年はここまで実戦で素晴らしい投球を見せている隅田
昨季、
西武の先発陣の防御率はリーグ2位の数字を誇る安定感を見せた。その顔ぶれが引き続き先発ローテーションの中心と考えていいだろう。チームの勝ち頭でもあり、唯一規定投球回数をクリアした
高橋光成、10勝を挙げた
與座海人、
ディートリック・エンス、そしてポテンシャルと経験値から
松本航、
今井達也。そこに今季は
平良海馬の先発転向が決まっている。経験がないだけに、不安視する声も聞かれたが、すでに対外試合で登板し、その内容は球威、制球力とも先発陣の誰よりも充実しており、不安どころか早くも期待の声のほうが大きく、こちらも当確だろう。
すでに6枚が埋まる計算になるが、そこに「待った!」と名乗りを挙げてきているのが左腕の
隅田知一郎だ。1年目の昨季は、デビュー戦で勝利を飾ったものの、その後は状態を落とし自身10連敗。プロの厳しさを痛感したルーキーイヤーとなった。
そこで、オフに大幅な投球フォーム変更にトライ。昨季、球団が寮生への講義を依頼した鴻江寿治トレーナーの自主トレに参加し、腕から始動する現フォームにたどり着いた。「すごくしっくりきています。僕が自分で一番楽しみです」と手応えを口にしていたとおり、2月28日に行われた
オリックスとの練習試合(SOKKEN)では3回1安打無失点。最速150キロに加え自慢のチェンジアップのキレも冴え渡り、充実の投球で猛アピールした。さらに3月8日の
中日とのオープン戦(ベルーナ)では4回1安打無失点。前述の6投手の中で左腕はエンスのみだという点も、隅田にとっては大きな強みだ。
昨季味わった苦杯を良薬へと変えるべく、必ずや先発ローテの柱へと飛躍してみせる!
写真=BBM