
昨季の悔しさを胸に、柳田は開幕からバットでけん引し続けている
主将かつ主砲が、シーズン序盤から3年ぶりのV奪還へ向けての強い思いをバットで示している。5月6日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)。
柳田悠岐が0対2で迎えた6回に4号ソロを放ち反撃ののろしを上げると、1点を追う8回にも
澤村拓一からバックススクリーンに5号逆転2ランをたたき込んだ。「風に乗ったと思う」と謙遜したものの、昨年7月24日
オリックス戦(京セラドーム)以来となる2打席連発で逆転勝利に導き、チームは2位に再浮上。「チームに貢献できたのが一番うれしい」と白い歯をこぼした。
シーズン1号を放ったのは意外にも今季17試合目だった。開幕直後は絶好調だった
栗原陵矢が打点を荒稼ぎし、
近藤健介も高打率をキープ。自身の前後を打つ打者が目立っただけに、相対的に“不振"とみられる向きもあったが、しっかりと「軸」として打線を支えてきた。2打席連発を放った6日の試合を終えた時点で、打率はリーグダントツの.351。安打が出ない試合でもしっかりと打ち気をこらえ四球を選ぶなど、同じくこの時点で開幕からの連続試合出塁も「27」に伸ばした。
3年ぶりのV奪還へ向けてその打棒は欠かせず、首脳陣からの期待もこれまで以上に大きい。ルーキー時代に二軍打撃コーチとして柳田を熱血指導した
藤本博史監督は、開幕からノーアーチが続いた期間も「いつかは出る」と言い続け信頼を強調。就任以来、主将を務める柳田も「藤本監督を胴上げしたい」と優勝だけを見つめる。序盤戦の勢いのままシーズンを完走する決意だ。
写真=BBM