
6試合に先発して防御率1.47と抜群の安定感を誇る村上
開幕から先発陣を支えたのは
村上頌樹だった。昨シーズンは一軍登板がなく「新人王」の有資格者でもある。与四球が少ない抜群の制球力で凡打の山を築いてきた。
「自分一人の力じゃない。野手の皆さんが守ってくれて、(坂本)誠志郎さんが引っ張ってくれているお陰だと思います」
昨年はウエスタン・リーグで最優秀防御率、勝率第一位に輝き、74奪三振も最多だった。しかし一軍登板の機会はなかった。
脚光を浴びたのは4月12日の
巨人戦(東京ドーム)で、7回まで完全投球だったが「あと6人」で降板。大記録達成も消えて、勝ち星が付かずも自信になった。
22日の
中日戦(バンテリン)でプロ初勝利を105球で片付けた完封で演じた。無四球で持ち前のコントロールの良さが守りのリズムを生むのだろう。
村上が先発する全試合でバッテリーを組む坂本も「ある程度、意図したところに投げられてアウトが増える。低めに投げられて長打が少ない」と好調を裏付ける。
一軍で初めて甲子園で先発した5月9日の
ヤクルト戦で6回まで投げ、1963年に
中井悦雄(
阪神)が残した開幕から31イニング連続無失点のセ・リーグ記録に60年ぶりに並んだ。
続く7回、
サンタナに球速142キロの直球を左中間スタンドに運ばれた。サンタナが「コントロールの良い投手だが、失投を一発で仕留めることができた」と振り返ったように珍しく甘い球だった。
これが2試合連続スライド先発も信頼の厚さを示した。24歳の右腕は「名前を覚えてもらえるような投球をしたい」と高みを目指す。
写真=BBM