
長打力不足解消に一役買ってくれそうな末包
快音を残したライナー性の打球は、バックスクリーンに飛び込んだ。
末包昇大が、今季スタメン2試合目の6月16日の
西武戦(マツダ
広島)で今季1号。「何とかしようと必死でした」という一発に、
新井貴浩監督も「しっかりとしたとらえ方をしないと、あそこ(中堅方向)は本塁打にならない。内容も抜群だった」と絶賛。13日の一軍昇格からスタメンは2試合ながら、交流戦ラストウイークで7打数3安打、1本塁打とアピールに成功した。
層の薄い右の長距離砲でありながら、開幕から長く二軍生活が続いた。調子の上がらなかった
マクブルームが二軍降格したことで、ようやく巡ってきたチャンス。「打席数をもらうためにも、最初に出た試合が勝負。早い段階で結果を出していきたい」という言葉どおりに結果を残した。
6月に入って二軍戦では7試合で打率.520、2本塁打、14打点と“確変状態”だった。「最初は本塁打じゃないと目立てないと思っていたけど、1、2本打ったところで打率が低かったら呼ばれない。打率重視で、そこが安定して数字が残って余裕を持てたのが良かった」。二軍で競い合っていた
林晃汰、育成から支配下登録された
中村貴浩が先に一軍昇格しても、焦りは胸の奥に押し込め、長期的な取り組みが形となった。
ルーキーイヤーの昨季は、開幕スタメンに名を連ねて序盤こそ存在感を発揮するも、交流戦が始まるころには一軍に姿はなかった。初めての交流戦も経験し、「あとは下でやってきたことを出していければ」。長打力を持ち味に尻上がりの活躍で、上位争いのキーマンとなる。
写真=BBM