
現役ドラフト勢の活躍を刺激に、一軍昇格を目指して進化を遂げられるか
松岡洸希は新天地での一軍デビューへ向けて着々と実力を磨いている。「最初は全然ダメだったですけど、先発をやるようになってから球種も少し増えたりしました」。昨オフの現役ドラフトで加入した変則右腕は、春季キャンプで一軍スタートもシーズン開幕は二軍で迎えた。イースタン・リーグでは質や出力の高いボールを安定して長いイニングで投げられるよう、基本的に先発を務めながら登板を重ねてきた。
本人も「全然ダメだった」と振り返ったように、春先は二軍戦でも打ち込まれるなど苦しい登板が続いていた。直球の他に主に投げていた変化球はスライダーとフォーク。中継ぎで1イニングを投げ切ることを考えて追求してきた球種だが、先発で長いイニングを投げ切ることを考えて投球の幅を広げようと思案。追加した球種が「ツーシームとカーブです」。これまで練習では投げていた2球種だが、試合で使うために本格的に磨きをかけることにした。
右打者へ食い込む軌道のツーシームと緩急をつけるためのカーブ。習得時に意識したのはすべて同じ腕の振りで投げること。今の自分に必要なことを取り組んで、「だいぶ新たな2つの球種も使えるようになってきた」と結果も伴ってきた。投球の幅が広がり、一軍で起用される役割が先発でも中継ぎでも対応可能な進化を遂げようとしている。他球団では現役ドラフト勢が大活躍している。「ニュースで見たりしたときに、悔しさはあります」。8月31日で23歳となる若き右腕はじっくり実力を蓄え、そのときへ備えている。
写真=BBM