
高卒1年目ながらウエスタンで3割近い打率をマークしている井坪
ファームで評判が良い外野手の
井坪陽生(ひなせ)は「2、3年後には一軍で活躍したい」としっかりと目標を定めている。
7月18日に富山市民球場で行われたフレッシュオールスター・ゲームの7回にはダメ押し適時打でアピールした。
「一軍のゲームを見ていても、自分のレベルはまだまだと思う。もっともっと成長しないといけません」
和田豊二軍監督が「非凡なものをもっている」、
北川博敏二軍打撃コーチも「ほかとはちょっと違う」と広角打法の長所を認める。実際、ウエスタン・リーグでは開幕から好調だった。日本がWBCで盛り上がっていた裏で、井坪は「プロ1号」を放っていた。3月21日ウエスタン・
ソフトバンク戦(鳴尾浜)で「速い直球にタイミングを合わせながら打てた」とスライダーをとらえた。
関東一高(東京)で甲子園出場の経験はないが通算32本塁打をマークした。恵まれた体格のドラフト3位は長打力も秘めている。試合出場を続けるうちに打てない時期もあったが、未来のレギュラー候補として楽しみな逸材であるのは間違いなさそうだ。
プロ入りした際の色紙には「トリプル3.5」としたためた。打率3割5分、35本塁打、35盗塁の数字をノルマに掲げたのだ。
「バッティングのことを考えるのが好きなんです。でも長打だけとか、足だけとかではなく、すべての部分を鍛えないといけない」
攻守にレベルアップを約束した男が、日の当たる舞台で輝くことを夢見ている。
写真=BBM