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チームになくてはならない存在を目指す佐藤龍
昨季まで
西武のユーティリティーといえば、投手以外すべてのポジションを守れた
熊代聖人(現二軍外野守備・走塁コーチ)が代表格だった。だが、昨年限りでの引退により、後継者として背番号「58」を受け継いだ
佐藤龍世がその役割を担う。
入団時から内野守備には定評があっただけに、内外野をこなした熊代とは違い佐藤龍の場合は内野がメイン。投手と遊撃以外は、捕手を含めてすべてのポジションをこなす。捕手に関しても高校時代に経験があるということで、今季はチーム事情によって第三捕手として頻繁に練習をこなしている。
自身が“ユーティリティー”と呼ばれることに対し、佐藤龍はしっかりとしたプライドを持っている。
「(複数ポジションを)守れるに越したことはないので、捕手を含め、できるポジションはやっています。ただ、一ポジション、一ポジション、誰よりもうまくないとユーティリティーと言えない。ただ守れるだけではダメなので、すべてのポジションの精度をしっかりと磨いていきたい」
本来であれば、「1つのポジションでずっと出続けられるに越したことはない」との思いはある。だが、「選択肢として、どこかのポジションで出られる選手がいないときに自分の名前が挙がるのであれば応えたい。僕自身、レギュラーとしてはもちろん、ベンチにいるときでも、打や守で何かあったら『龍世』と言ってもらえる、なくてはならない選手にならないといけないと思っています」と言う。
早朝や深夜までの打撃練習も、慣れない捕手練習も、すべては「試合に出るため」。持っている武器は全部、研ぎ澄ましていく。
写真=BBM