貴重なリリーフ左腕として存在感を発揮している佐藤隼
大卒1年目の昨季は即戦力の期待どおり開幕から先発ローテーション入りを果たし、デビュー登板を無失点勝利で飾った
佐藤隼輔。だが、最高のスタートは切ったが、その後は結果を残せず、6月に登録抹消となる。9月に再昇格となってからは、中継ぎとしての起用が主となり、最終的には12試合登板(先発9試合)、防御率4.60と不本意な成績に終わった。
その中で見えた「1年間活躍する難しさ」と「プロの打者は簡単には打ち取れない。粘られたときにどうやって打ち取るか」という課題をテーマに、オフ期間はウエート・トレーニングを中心とした体力づくりとフォームの見直しを徹底的に行った。
その取り組みが奏功し、今季は「自分でも、こんなに良い球投げられたかな? と思った」と言うほど直球の強さは昨年よりもはるかに増した。首脳陣からの評価も高く、
豊田清投手コーチは開幕前から「今年はいい場面で使うから」と佐藤隼本人に伝えていたという。その期待に応えるがごとく、開幕から主にセットアッパーとして安定感抜群の投球を続け、勝利に貢献してきた。
だが、6月半ばから状態を落とし、失点が重なったのを機に7月3日に今季初めて登録抹消。「ファームでは真っすぐの強さを戻すために、フォームの部分はもちろん、ウエートの量も減っていたので、もう一度追い込んで、コンデイションの部分も見直してきました」。そして、7月16日に一軍復帰を果たし、以後は再び重要な場面でマウンドに立ち、チームを勝利に導いている。
チームでは勝ちパターンの一角だった
森脇亮介が長期離脱となっただけに、佐藤隼の存在はより一層欠くことができない。
写真=BBM