
来日2年目に進化した姿を見せていたケラー
来日2年目のカイル・ケラーはさらに進歩の働きを見せていた。8月8日からの
巨人3連戦(東京ドーム)は3連投。11試合連続の無失点で尻上がりの安定感を見せつけたはずだった。
「これから厳しい場面がやってくるから、ちゃんと自分の仕事を果たしたいと思っている」
特に巨人戦には防御率0.00で抜群の相性。しかし、翌11日に本人からの「家庭の事情」という理由で、球団から突然の帰国が発表され、虎の「速球王」は消えた形となった。
メジャー・リーグでは全登板がリリーバーだった。2021年にパイレーツを自由契約になったあと、日本に新天地を求めてきた。
阪神での最速は1年目に計測した157キロのストレートだ。
22年7月13日、13対0で勝利した巨人戦(甲子園)で、
西勇輝のあとを受けた9回、
中島宏之を空振り三振に取った直後が157キロをマーク。続く
松原聖弥、
岸田行倫も空振り三振に片付けていた。
外国人8人制だった昨シーズンから唯一残留になったケラーは、その速球を生かすアイデアを模索してきた。
湯浅京己にフォークの教えを求め、横に滑るスライダーも試してきた。
阪神の豊富でレベルの高いリリーフ陣に食い込んで、勝ち負けいとわずマウンドに上がり「つなぎ」に徹してきた。ケラーは「リーグ優勝、日本一を目指しながら昨シーズン以上の成績を残したい」とシーズン前の公約を実現するつもりでいる。
写真=BBM