
シーズン終盤、バットでチームの勝利に貢献した佐藤龍
9月以降、メキメキと存在感を示したのが
佐藤龍世だ。シーズン最終戦の10月3日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)まで全試合スタメン起用が続いた。何と言っても特筆すべきは出塁率の高さだ。9、10月の出塁率は.468と驚異的な数字を誇った。8月29日から19試合連続出塁を続け、四球数も9月だけで23個を奪い、選球眼の良さに評価は急上昇中だ。9、10月で打率自体も.289と好調が続いたが、実はそこにはしっかりとした裏付けがある。
佐藤は今季、「ホームでの試合後には必ず室内練習場に行き、マシンに向かう」と決め、開幕戦から最後までしっかりと貫き続けてきた。始めた当初、「もし結果が出なくても、『これだけやってダメなんだから仕方がない』と思えるはずなので。後悔だけはしないようにしたい」と穏やかな口調で話していたが、その表情には過去4年結果を残せていない危機感、約1年半ぶりとなる
西武でのリスタートへ思いなど、並々ならぬ感情があふれていた。
「今年は、ゾーンだけを振りにいって、待っていない球は振らないようにしている。あまりブンブン振っていないので、その分ポイントを引きつけられていることで、ボールが見極められているのかなと思います。それは、間違いなくずっと(試合後)練習してきたからだと思います」
継続してきた努力が、ようやく成績という最高の形で現れ始めたのである。
松井稼頭央監督からの信頼度も上がり、9月17日のロッテ戦(ベルーナ)からはクリーンアップの一角を担った。来季開幕からの定位置奪取のためにも、「結果にこだわっていきたい」と語っていた成果だ。最後まで続けた猛アピールを来季につなげる。
写真=BBM