
今季は10年目で初めて規定打席に到達した関根
気がつけば、プロの世界で10年が経過した。
関根大気は浮き沈みを乗り越え、最高の輝きを放つようになった。
「後半戦はほとんど貢献できなかった。修正能力が課題。自分の中で、まだ可能性があるんじゃないか? と思えた」
今季は140試合に出場し、初めて規定打席に到達した。打率.261、4本塁打と31打点はキャリア最高の成績。しかし、満足する様子はみじんもなかった。10月25日にはすでに現地に向かっていた
大田泰示、
宮城滝太とともにメキシコのウインター・リーグへ出発。来季を見据え、誰よりも早くスタートを切った。
「プロでやっていく上で、レギュラーは目標。打率を残せて、長打も打てる。梶谷選手(
梶谷隆幸・現
巨人)を目標にしたい」
東邦高から2014年のドラフト5位で入団。不動のレギュラーだった目標の先輩から背番号「63」を受け継ぎ、沖縄・宜野湾キャンプではいきなり一軍メンバーに抜てきされた。1年目はプロ初安打を含む3安打。翌年の開幕戦では巨人・
澤村拓一(現
ロッテ)から代打で初本塁打を記録した。「勢いで空気を変えてほしいし、変える力を持っている」と若き才能に着目したのは当時の
中畑清監督。不振による低迷、2020年は一軍出場ゼロに終わったが、21年から3年連続で100試合出場をクリアした。
二軍降格せずシーズンを完走したのも、今年が初めてだった。開幕から快打を連発。5月24日時点で打率は.368まで上昇した。6月以降の月間打率はすべて2割5分を下回ったが、CSファーストステージでは8打数5安打。課題と同時に手応えもある。28歳。まだまだ、進化の途中だ。
写真=BBM