
移籍1年目からチームを引っ張り、“エース級”の活躍を見せた有原
3年ぶりのV奪還を狙った2023年シーズン、チームはリーグ3位、クライマックスシリーズ・ファーストステージ敗退という結果に終わった。打撃陣では今季からFA加入した
近藤健介が本塁打王、打点王、最高出塁率のタイトルを獲得。
柳田悠岐が最多安打、
周東佑京が盗塁王と、野手3人で5部門のトップに立つなど一定以上の結果を残すも、一方で苦しんだのは先発投手陣だ。そんな中で「陰のMVP」と呼ぶにふさわしい活躍を見せたのが今季、日本球界に復帰した
有原航平だった。
開幕からファームでの調整期間を経て6月6日の
DeNA戦(PayPayドーム)で移籍後初登板を果たした右腕は、シーズン最後まで安定感のある投球を続けた。規定投球回には達しなかったものの、チーム唯一となる2ケタ10勝(5敗)をマークして防御率は2.31。1試合の平均投球回は7イニング超と、常に試合をつくってみせた。チームで規定投球回到達者ゼロかつ2ケタ勝利なしとなれば、球団初の「屈辱」となっていただけに、まさに救世主的存在だった。
特に印象的だったのは、7月25日の
オリックス戦(京セラドーム)。
山本由伸との投げ合いを制して9回シャットアウトの圧巻の投球で、チームの連敗を12で止めてみせた。リーグ3連覇したオリックスの絶対的エースとはシーズン中4度投げ合い、3勝1敗と抜群の勝負強さを見せた右腕。
小久保裕紀新監督の下で迎える24年シーズン。有原が開幕からエースとして力を発揮すれば、4年ぶりのリーグ優勝をグッと手繰り寄せられるだろう。
写真=BBM