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難病から復活を果たした今季。しかし、本当の復活は来季だと意気込む
前だけを向いた。
三嶋一輝がシンプルに決意表明した。
「プロ野球選手ですから。『勝負だな』という気持ちです。より一層、自分にも期待しています。期待してほしいと思います」
昨年8月に国が難病指定する黄色じん帯骨化症の手術を受け、マウンドへ帰ってきた。今季は27試合で3勝1敗6ホールド、防御率4.84。「皆さんの中では復活だと見えていたかもしれないですけど、僕の中ではあまりよくなかった。もっとできるだろう、と思っていた」と苦しい胸の内を明かした。
開幕を一軍で迎え、12試合連続無失点と最高のスタートを切った。4月26日の
ヤクルト戦(横浜)では355日ぶりの白星。わずか4日間で3勝を挙げた。
「何百人の人から『勇気をもらいました』と言ってもらった。僕にしか分からない、選手としてのやりがいがあった」
前年は13試合の登板。「疲労がたまった」と次第に失速していった。6月は6試合で防御率9.64。2カ月半のファーム調整を経て、9月17日に再昇格したが、2試合で3失点と勢いを取り戻せなかった。
来季が3年契約の最終年。左の
エドウィン・エスコバーが抜けたブルペンでは、復権をかける
山崎康晃や
伊勢大夢、
森原康平らとともに、軸となるべき一人だ。
「何とか期待に応えたいと、入り込み過ぎていた。そういう期待を力に変えて、来年にぶつけたい。
阪神を見ていて『優勝、いいな』と思った。勝負をかけてやっていきたい」
通算360試合で42セーブ、56ホールドの実績。しびれる展開が、背番号17にはよく似合う。
写真=BBM