
不本意な成績に終わった昨年の屈辱を晴らすためにキャンプで精力的にバットを振る佐野
新打撃フォームで巻き返す。
佐野恵太は今季、昨季までの打席で右足を本塁側に踏み出す極端なクローズドスタンスから、両足を平行に置くスクエアスタンスへと変更。沖縄・宜野湾で迎えた春季キャンプでも、その微細な感覚を研ぎ澄ましている。
佐野は2020年にレギュラー未経験ながら、メジャー・リーグに移籍した
筒香嘉智(ジャイアンツ傘下)のあとを受け四番&キャプテンに抜てきされ、いきなり打率.328で首位打者に輝いた。22年には161安打をマークし、最多安打のタイトルを獲得。しかし、昨季は本来の打棒を発揮することができず、打率.264でレギュラー定着後初めて打率3割を下回った。
シーズン最終盤には右有鈎骨を骨折し、手術を受けたこともあり「体にも負担がかかる。ケガの功名じゃないけど、大きく変えるタイミング。もう一度体のことを見つめ直し、理想の形にしていきたい」と抜本的改革に着手した。バットマンにとって命ともいえる打撃フォームだけに、大きな変更は一朝一夕に完成するものではない。オフから新たな打撃フォームで着実に練習を重ね、春季キャンプでは積極的に対投手での打席に立つことで、実戦で力を発揮できる形へとフィットさせていく方針だ。
4年間務めたキャプテンの役目を後輩の
牧秀悟へと継承し、迎えるプロ8年目。「去年の数字は僕も納得していないし、周りの人が見たときにレギュラーと言える数字じゃない。絶対的な主力として活躍できるように」と復活に燃える強打者に、
三浦大輔監督も「佐野は間違いなく今年やってくれます。そういう男です」と全幅の信頼を寄せている。
写真=BBM