主力を脅かす存在になれるか。ドラフト1位の上田希由翔内野手が、キャンプから存在感を見せている。チームはこのオフに内野陣の活性化のため、守備位置をシャッフルし、安田や中村奨もポジション確保に向けてアピールが必須。その中で、期待のルーキーが競争を激化させる。
東京六大学リーグで歴代4位となる74打点を挙げた勝負強さが売りの左打者。対外試合ではいきなりチャンスで力を発揮した。2月14日の韓国サムスンとの練習試合では適時打2本を含む3安打5打点。右に、左に打ち分けて対応力の高さを見せ、吉井監督は「バットに当てるのがうまい」と評価。18日の
DeNAとの練習試合では対外試合初の四番に抜てきされた。
新人とは思えない落ち着きと、野球に対する実直さを兼ね備える。入団が決まった直後、早々に「80安打、50打点」と1年目の目標を明確に設定。
「新人王は獲りたいと思うが、ざっくりとしてしまう。自分の目標に明確になるような数字という点で、あの数字を挙げた」
新人合同自主トレーニングでは、一人帽子をかぶってバットを振った。常に実戦を想定した取り組みで、意識の高さをのぞかせた。
大学4年時に主将として着けた「10」をプロでも背負う。
「明大からのファンの方に、ロッテのファンにもなってほしい」とアピールしつつ、「将来10番と言ったら、上田と言ってもらえるように。いずれはタイトルを獲れる選手になりたい」。
まずは開幕一軍を目標に、着実に階段を上る。
写真=高塩隆