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オープン戦で打率3割を大きく超える数字を残している石上
神懸かりな猛アピールを見せた。ドラフト4位・
石上泰輝が、沖縄・宜野湾のA班で迎えたキャンプからとにかく打ちまくっている。
2月10日の紅白戦(宜野湾)に二番・二塁で先発出場すると、プロ初実戦でいきなりあいさつ代わりの3安打を放った。同18日の
ロッテとの練習試合(宜野湾)では中越えに2点三塁打。同23日の
ヤクルト戦(浦添)でも再び3安打をマークした。
キャンプ終了後も勢いは止まらず、3月2日の
ソフトバンクとのオープン戦(北九州)では4打数4安打1打点の固め打ち。翌3日の
オリックス戦(京セラドーム)では日米通算250セーブを誇る守護神・
平野佳寿からオープン戦12球団新人1号となる右越え2ランを放ってみせ、
三浦大輔監督も「躍動感あふれるプレーを毎日してくれ、期待値というか、楽しみが日に日に増している」と目を細めた。
プロでは二塁、三塁でも起用されているが、大学時代の本職は遊撃手。チームでは昨年のスタメン最多起用が
京田陽太の62試合と、固定できずにいる悩みのポジションだ。ベテランの
大和、2020年ドラフト1位入団の
森敬斗、2年目の
林琢真らがその座を狙う中で、石上の台頭はチーム内競争の激化と戦力底上げに大きく寄与する。
打撃のみならず、50メートル5秒9を誇る快足も自慢。昨季、総盗塁数33はリーグ最少で、盗塁成功率55.9パーセントもワーストと、長年走塁面を課題としてきたチームにとって貴重な新戦力だ。勢いに乗るルーキーは「今に満足せず、継続して打ち続けたい」と静かに闘志を燃やしている。
写真=BBM