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昨年は打点王のタイトルを獲得。今季も勝負強い打撃で打線をけん引する
容易に目標を達成しそうな雰囲気が、
牧秀悟にはある。昨年がそうだった。
「個人としては打点を一番多く取れる打者になりたい」
侍ジャパンの一員として世界一に輝いた3月のWBCから野球漬け、2位の
岡本和真(
巨人)に10差をつけ、自己最多の103打点で初タイトルを獲得した。さらに164安打も、
中野拓夢(
阪神)と並ぶセ・リーグ最多。「打点王はずっと獲りたかったタイトル。シーズンでも、いい緊張感の中でできた」と声をはずませた。
昨季は四番・二塁として初めて、全143試合に出場した。
「自分が打つことで、チームを勢いづけられる打者。ここというところで結果を出せる打者になりたい」
3・4月こそ打率.235のスロースタートだったが、最終的に打率.293、キャリアハイの29本塁打。得点圏打率も.354の集中力だった。勝負どころの8月は26試合で38安打を放ち、打率.362で月間MVPを受賞。打率はセ・リーグ4位、本塁打も同3位で、三冠王も夢ではない充実ぶりだ。
三浦大輔監督の信頼も絶大だ。「いいときも悪いときも下を向かず、前を向いてグラウンドに立っている」と
佐野恵太に代わる新主将に指名。プロ4年目、25歳で
DeNAの看板を背負った。2月の宜野湾キャンプ後に体調不良で一時離脱していたが、3月12日から練習復帰。「ちょっとずつ体を動かして徐々にやっていければ」と29日の開幕を見据えた。
心技体にユーモアを兼ね備えた背番号2。進化する打撃で、26年ぶりのリーグ優勝も運ぶ。
写真=BBM