
かつての盗塁王は今季、復活を目指すシーズンとなる
昨季、47試合出場で15安打、打率.179に終わり、
金子侑司はキャリア最悪のシーズンを過ごした。結果が出せなかった理由について、「開幕から最初の20打席ぐらいで打てなくて、それがすべてだった」と金子は悔しそうに言葉を振り絞った。
その教訓からも、「良いスタートダッシュが切れるか、切れないかで、もうシーズンが決まると思うので、とにかく最初から結果を出すということだけを考えてずっとやってきました」。キャンプはB班スタートも、若手選手たちに交ざってほぼフルメニューに参加し、自主トレで取り組んできた打撃フォーム固めと体づくりにみっちりと時間を費やした。
そして、オープン戦から一軍に合流すると、10試合、27打席で打率.360と猛アピールを見せた。「シーズン中も『使いたいな』と思ってもらえるようにやるだけなので」。当然、狙うは外野のレギュラーだ。
「しっかり守ったり、走ったりは当たり前のこと。そこに関してはブレずにやれていると思うので、あとは打撃。1打席、1球を無駄にしないように、丁寧にバッターボックスに立ちたいと思います」
並々ならぬ危機感を持って挑んでいることは、首脳陣にも十分伝わっている。俊足、堅守は筋金入りだけに、「金子」の名が打線に定着すれば、
松井稼頭央監督の目指す足を使った隙のない野球の実現は一気に現実味を増す。
金子自身にとっても、このままフェードアウトするわけにはいかない。「応援してくれているファンの方もいるので、そういう人たちのために恩返しできるように頑張りたい」。開幕から4試合連続、一番でスタメン出場。リベンジのシーズンが始まる。
写真=BBM