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ロッテ・小川龍成 ヒーローたちのお膳立て/ユーティリティーの極意

 


 伏兵の嫌らしさが際立ってきた。

 小川龍成は、今季7試合目のスタメン起用となった5月1日のオリックス戦(ほっと神戸)で5打数3安打の固め打ち。プロ4年目にして初となる猛打賞の活躍を見せ、「うれしいですね。けど、ラッキーな部分も非常に多かったので、そこは謙虚に。自分の持ち味はなくさずに、そこは意識してやりたい」とうなずいた。

 取り組んできた“カット打法”の成果が如実に表れた。オリックスの先発左腕・田嶋大樹を相手に第1打席は追い込まれてから3球粘って、9球目のスライダーを右安。第2打席は4球粘って10球目を一塁へ内野安打とした。一方、好球も見逃さず、6回一死一、三塁のチャンスで打席が回ってくると、3球目をはじき返して左前適時打に。

 この日は5打席全出塁で相手に計34球を投げさせ、「粘りを持ち味にしないとやっていけないのは感じていた。練習で積み重ねてきたことがしっかり試合でも出るようになってよかった」と手応え。吉井監督も「一生懸命に練習していたのは知っていたので、結果が出てよかった」と目を細めた。

 小川は、捕手以外はどこでも守れる超ユーティリティープレーヤー。練習でも内野を一通り守ったあとに外野も守るなど、常に準備を怠らない。

「こうした形でやっていけば生き残る道はあるのかな。点を取ってくれたり、しっかり最後に決めてくれる選手がヒーロー。僕はそういったヒーローたちのお膳立てができれば」

 謙虚な26歳が縁の下の力持ちとして、チームを頼もしく支える。

写真=桜井ひとし
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