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阪神・植田海 どんな状況でもプロの業を見せる 目立ちはしないが貴重な存在/ユーティリティーの極意

 

試合の重要な局面で見事な走塁を見せている植田


 プロ10年目の植田海。目立ちはしないが貴重な存在だ。開幕から代走での出場が続くが、内外野を守ることのできるチームきってのユーティリティーでもある。

「ケガをせずに、まずは盗塁数で2ケタにいきたい。そのためにはもっとスピードを上げていきたいと思っています」

 主にゲーム終盤の競った盗塁などを期待される場面で起用されることが多い。そのまま外野の守備固めとして入るケースも見受けられる。それが4月16日の巨人戦(甲子園)だった。延長10回表無死の場面で降雨コールドの1対1でピリオドが打たれた試合は、植田が主役だった。

 1点を追う7回裏、代走で出場していた三塁走者・植田は、糸原健斗の浅い右犠飛でタッチアップし、頭から本塁に突っ込んで同点にしていた。ホームに構えた巨人捕手は岸田行倫だったが、植田は「左手だったらタッチされるなと思ったので、右手でいきました」と好走塁を見せたのだ。

 植田は得点の前にも二、三塁間に挟まれてタッチをかいくぐっていたから、まさにスペシャリストぶりを見せた形だった。そしてレフトの守備に就いた。本人は「より多く試合に出たい。試合に出たときは、しっかり役割を果たせるように準備したい」と意欲を示している。

 巨人戦でホームインした日も、実は二軍戦に出場していた。岡田彰布監督が就任した直後には二遊間の特守にも臨んだ。あらゆるシチュエーションにも対応する構えだ。

写真=BBM
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