開幕前、スーパーサブと思われていた男は、今やドラゴンズに欠かせないユーティリティープレーヤーになった。来日2年目のカリステが自らの能力をフルに発揮している。
4月16日の
ヤクルト戦(バンテリン)で開幕から三塁を守ってきた
高橋周平が負傷し、途中交代。その試合で左翼のスタメンで3安打を放ったカリステは途中から三塁へ。
「仲間のケガというのは望んでいないもの。チームとして残念なこと。自分がチームに必要なこと、自分の仕事をやっていくだけだよ」
そう神妙に語ると、六番・三塁で先発出場した翌日のゲームでは、0対0で迎えた6回二死二、三塁から先制の2点適時左前打を放ち、これが決勝点に。「積極的に行こうと思っていた。それが良かった」。リーグ最速の10勝目を自らのバットでもぎとった。
内外野がこなせるのが最大の武器だ。三塁はもちろんのこと、今季は新加入の
中田翔の休養日に一塁を守ったり、好調な打撃を買われ左翼で先発したり、何でもこなす。遊撃ができるのも頼もしい。
昨オフは母国でもあるドミニカ共和国のウイン
ターリーグに参戦。完全にオフと言えるのはわずか3週間だけで、キャンプのため来日した際にはすでに体が仕上がっており、選手会長の
柳裕也が「カリステの体がバキバキですごい」ともらすほどだった。
「だって野球が仕事だからね。今はオフの成果が出ているよ」とカリステ。チームの勝利に貪欲なカリビアン。まだまだ暴れまくるつもりだ。
写真=BBM