
開幕からエース格としての自覚もにじませる東
東克樹は立ち止まらなかった。「絶対に自分で連敗を止めてやる。強い気持ちでマウンドに上がりました」。5月17日の
中日戦(横浜)は有言実行のマウンドだった。初回に先制を許したものの、7回2/3を6安打1失点。チームの連敗を3でストップさせた。開幕から無傷の4勝目を挙げ「個人の記録もかかっていたので……」と安どの笑み。昨年5月18日から丸一年続けていた本拠地・横浜スタジアムでの連勝を10に伸ばし、通算134勝の
遠藤一彦(1984~85年)が持つ球団記録に並んだ。
昨年はキャリアハイの16勝(3敗)を記録し、最多勝と勝率第一位の投手2冠に輝いた。同じサウスポーとして、先発陣を支えてきた
今永昇太がメジャー挑戦。背負うものは大きくなった。沖縄・宜野湾キャンプイン前日の1月31日。
三浦大輔監督から直接、3月29日の
広島戦(横浜)での開幕投手に指名された。就任4年目の指揮官にとって開幕戦は7度の大役を務めている現役時代を含め10戦10敗。一度も白星を挙げることができなかった舞台だった。
「チームを勢いに乗せるためにも勝ちにつなげる投球ができれば」と10安打を浴びながら、7回3失点の粘投。勝ち星はつかなかったが、三浦監督にうれしい「初勝利」を贈った。ここまで8試合に登板し、4勝負けなし、防御率2.19。先発で6回以上を投げて自責3以内のクオリティー・スタートは全試合でクリアしている。新人だった2018年に11勝を挙げ、翌年は4勝。「隔年」返上へも好発進だ。心技体で充実の一途。
DeNAの絶対軸を担う。
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