
一番だけでなく、クリーンアップも務めるなど貧打の中で奮闘している近本
首位争いを支えるチームの中心的存在が
近本光司だ。開幕から一番・中堅で数字を積み重ねてきた姿には、プロ入り当時にあった春先のスロースターターぶりはすっかり消えている。
前半戦で興味深かったのは、近本が「三番」に抜てきされたことだ。なかなか得点力の上がらないチーム事情に、
岡田彰布監督がもっとも当たっている打者をクリーンアップに据えたのだ。5月12日の
DeNA戦(横浜)から「三番」で起用。同15日の
中日戦(バンテリン)で延長11回に決勝打を放って1対0の勝利に導いた。だが「三番」は6試合だけに終わった。
5月19日の
ヤクルト戦(甲子園)から「一番」に復帰。岡田監督は試合前に近本にヒアリングしたことを明かした上で、再びトップバッターで起用することを決断した。
「打ってる打者を三番に入れて打てんようになるのもあれやったからな。近本と話して、一番でいこう、戻そうかとなった。でもいつかは三番を打ちたいということだったね」
4月にも1試合「三番」に入ったが、計7試合の三番打者の成績は打率.160、0本塁打、1打点だった。近本も「三番だったら走者がいたり、いなかったりと想定するので、一番は楽に入れます」という。数字的には「一番」に適応していると言える。しかし、今度は
大山悠輔の不振もあり「四番」を務めることに。6月1日から4試合連続で打線ど真ん中を務めている。
立ち位置が変わっても、近本が連覇に向けて頼りになる男であることに変わりはない。
写真=BBM