頼れる大将が金髪で帰ってきた。右太もも裏の張りのため出場選手登録を抹消されていた中田翔が交流戦スタートとなる5月28日の
西武戦(バンテリン)で昇格即スタメン。髪の毛は明るいカラーだった。
リハビリ中は黒髪だった。「体をクールダウンさせているので、髪の毛もクールダウン」。冗談交じりに昇格タイミングを待っていた背番号6。散髪した際に、髪の傷みを指摘されて「ちょっと黒に戻しておいて」とオーダーしたのだとか。
振り返れば今年1月下旬。沖縄キャンプのためチームに合流した。その姿は金髪。「年をとって髪も薄くなってきたし、ハゲ隠しなんだよね」と話していた。
気さくであけすけ。プライドはグラウンドで示す。グラウンド外で変に肩肘張った行動はとらない。だからこそ、後輩から慕われ、ひとことひとことが周囲を和ませる。
5月26日のウエスタン・
広島戦(ナゴヤ)で実戦復帰し、四番・一塁でスタメン出場し3打数1安打。適時打を放ち、昇格タイミングを待った。6月10日現在、43試合に出場して3本塁打17打点、打率.234は物足りないが、それ以上の存在感が中田にはある。
一喜一憂しないから、どれほどチームメートを安心させるか。「この先、負けが込む時期があるかもしれない。でも逆に連勝する時があるかもしれない。ちょっと勝った、ちょっと負けたぐらいでいちいち反応していたら気持ちが持たない」と構える。
レギュラー2年目の
細川成也は「中田さんがいるから安心してプレーできます。技術的、精神的にアドバイスをもらっています」と語る。強面の半、いざ話し掛けるとピュア。竜には中田という太い幹がある。
写真=BBM