
後半戦に向けドライチ左腕の快投に期待が高まる
ゆっくりと、でも着実に、
細野晴希はエースへの階段を上り始めた。一軍デビューは6月18日の
阪神戦。野球人あこがれの甲子園で、プロ初登板初先発を果たした。「バッターの顔を見たら、テレビの中の人でめちゃくちゃ緊張したので、顔を見ないようにして落ち着かせました」。バッテリーを組んだ
進藤勇也のミットだけを見続けた。
2023年ドラフト1位左腕と同2位の捕手。ルーキーコンビがバッテリーを組んでそろってデビューするのは球団78年ぶり2度目のことだった。しっかりとしたセルフコントロールで緊張も適度に抑えて「とにかくストライクゾーンに投げようと思った」。1回は三者凡退で立ち上がると波に乗って4回二死までパーフェクトの快投を披露した。
5回は先頭打者へプロ初の四球。自らのバント処理のミスもあった。一死満塁とされ、球数は78球となった。この日は80球の球数制限があったため、ここで降板。大ピンチは大ベテランの
宮西尚生が最少失点でしのいでくれた。勝ち負けは付かず、4回1/3を2安打1失点。「内容ではなく、忘れられないマウンドになりました」と振り返った。
左肩の違和感もあり、1月の新人合同自主トレからスロー調整だった。一軍デビューは夏場以降を見据えていたが、慎重を期しながら踏んだステップも順調。早い時期に経験することができた。7月3日の
ロッテ戦(エスコンF)では本拠地デビューも果たして5回3失点。プロ初勝利はお預けも、後半戦へ向けて期待が高まる経験を積んだ。
写真=BBM