
試合の主導権を握るピッチングを続け、ドラフトで3球団競合の実力を見せつけている
本人も、思わず「出来過ぎです」と照れ笑いするほど、開幕から順調なルーキーイヤーを過ごしているのがドライチ左腕の
武内夏暉だ。打者からボールの出どころの見えづらい投球フォームと、抜群のコントロールで打者を圧倒。7月16日現在、10試合に先発して5勝1敗、防御率1.37、ハイクオリティースタート(先発が7回以上を投げて自責点2以下)率70パーセントと抜群の安定感を誇っている。
さらに、5月は4試合に先発して、3勝0敗、防御率0.63の好成績をマーク。球団史上最速となる月間MVPを受賞した。
開幕からバッテリーを組んでいる
炭谷銀仁朗も「スーパーピッチャー」と大絶賛。「こちらが何を要求しても応えられる」と、その能力の高さに賛辞を惜しまない。
好成績の要因として、武内自身は「ストライク先行のピッチングができていること」を挙げる。制球力が大きな武器とあり、ムダなボール球が少ない。そのため、球数少なく長い回を投げられるということにもつながっている。
また、ピンチの場面でもまったく動じない、そのルーキーとは思えぬマウンド上での落ち着きも、守っている野手陣に安心感を与えているようだ。「ストライクが入るからテンポもいいし、守りやすい」とは二塁手の
外崎修汰。早くも先発ローテーションの一角としてチームメートからも大きな信頼を得ている。
ただ、もちろん現状で満足しているはずがない。「まだまだコントロールミスもありますし、変化球の精度も磨いていきたい」。どんな大投手になるか。楽しみしかない。
写真=BBM