
リリーフとして相手を抑え込むピッチングを見せている森浦
打者と勝負する上で、『3球三振』は投手の醍醐味の一つ。それが3者連続となれば、そう簡単なものではない。6月1日の
ソフトバンクとの交流戦(みずほPayPay)の7回、
森浦大輔は見事にやってのけた。
柳町達、
佐藤直樹、
今宮健太を、それぞれ3球でピシャリ。1イニング3者連続3球三振は「イマキュレートイニング」と呼ばれ、NPB19人目(21度目)で、セ・リーグでは12人目。左腕に限るとリーグ史上4人目だった。
7月2日の
阪神戦(マツダ
広島)で同僚の
森下暢仁も記録したが、完全試合の達成人数(16人)と比較しても希少ぶりがうかがえる。「いい感じでテンポもいいなと思って投げていたんですけど、全部3球だったのは終わってから気づきました」。“偉業”を照れくさそうに振り返った左腕は、完全無欠の3人斬りから真夏の9連戦終了まで20試合で1失点と抜群の安定感で好調ブルペン陣の一角を担う。
チェンジアップを武器に特に右打者に威力を発揮。8月26日現在、被打率は対左の.238に対し、対右は.158。
塹江敦哉から相手打者との兼ね合いで、イニング中に左腕リレーでつないだ試合も少なくない。
4年目の今季は復活を遂げた。入団から2年連続で50試合以上に登板も、昨季は13試合。今季は50試合以上のペースで防御率も1.27だ。重圧のかかる立場にいながら「ここまでリラックスというか、力まず来られている。最後までそれを継続していきたい」。柔和な表情とは対照的な強心臓左腕が、リーグ優勝に向けたチームの勝利を支えていく。
写真=BBM