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開幕11連敗を喫するなど、思うに任せないシーズンを送っている高橋
120試合を終えた時点で38勝80敗2分けと、歴史的大敗のシーズンとなってしまっている
西武。原因は多岐にわたるが、その1つと言わざるを得ないのは、やはりエース的存在である
高橋光成の不振だ。2021年から昨年まで3年連続2ケタ勝利を挙げ、昨季は4完投、2完封、防御率2.21と、最も頼れる存在だった。数年前からポスティングでのメジャー・リーグ挑戦への思いも明言しており、夢の実現のためにも今季はさらなる成長と活躍が期待されていた。
しかし、春季キャンプ中に右肩を痛め、スロー調整が決定。開幕先発ローテーションから外れると、今季初登板は4月14日の
ソフトバンク戦(ベルーナ)までずれ込んだ。とはいえ、復帰後は実績どおりの安定した投球を誰もが信じていたが、6月23日の
オリックス戦(京セラドーム)まで0勝8敗、防御率4.42と精彩を欠き、二軍での再調整となった。
そして、約2カ月ファームで制球力などを改善。8月12日に再昇格を果たすと、同日の
日本ハム戦(エスコF)では4失点を喫し黒星を重ねたが、続く20日のオリックス戦では6年ぶりに開催された地元・群馬で5回無失点と好投を見せた。高橋に勝敗はつかなかったが、チームの勝利に貢献し、「粘り強くゼロで終えられたことは良かった」と、ようやく“らしい”笑顔が戻った。だが、8月27日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)は6回2失点、9月3日のオリックス戦(ほっと神戸)は6.2回3失点も負け投手に。パ・リーグワーストタイの開幕11連敗となってしまった。
自身もチームも苦境が続いていた中でも、常に前を向き続けて自分のやるべきことを継続し、改善に努めてきた背番号『13』。誰よりも悔しいのは本人であるだろう。シーズン最終盤、必ずやエースとしての意地を見せてくれるはずだ。
写真=BBM