
遊撃レギュラーの座をつかみ、攻守でチーム躍進に貢献した
チームの大トリで契約更改した
水野達稀は力強く言った。「
ボスを日本一にしないと辞めさせられないので。ボスが無理だなって思う前に、日本一を絶対に獲りたいなと思います」。
新庄剛志監督と“同期入団”でもある水野は3年目の今季、遊撃のレギュラーとして大きく飛躍。来季推定年俸は3000万円で、今季から約3倍増となった。
振り返れば、2024年シーズンは二軍からスタートした。2月の春季キャンプは主力が集う沖縄・名護ではなく、新人ら若手中心の国頭組に振り分けられていた。それでも昨オフの自主トレでは「ずっと上(一軍)でやるイメージを持って、上で戦うための体づくりをしてきた。それがいい結果につながった」。しっかりと準備してきたことに自信があった。
だから、訪れたチャンスを逃さなかった。体づくりの一環で取り組んだベンチプレスのMAXは140キロまで上がった。身長171センチとプロ野球界では小柄だが、見た目以上に備え持つパワーは新庄監督の耳にも入った。一目置かれた状態で紅白戦や練習試合で一軍に呼ばれると結果も残し、キャンプ中に文句なしの昇格を勝ち取った。
プロ入り時は不安があった遊撃守備も上達し、3月上旬には指揮官からレギュラー当確を言い渡された。「めちゃくちゃびっくりしたけど、あれがなかったら今の自分はなかった」。開幕から攻守で躍動し、CS進出の原動力となった今季は「本当に人生が変わった1年」。だからこそ来季は、野球人生を変えてくれた指揮官を日本一監督にする。
写真=BBM